軟膏をつけると一時はよくなるが再び現れる。かさぶた、充血、浸出液が著しく、かゆみもひどい。皮膚に赤いみみずばれのような非常にかゆい発疹ができる。皮膚が乾燥し、カサカサしてかゆい、ジクジクした湿疹ができるなど、肌の症状はいろいろです。
慢性化し諦めかけていたお肌も、漢方薬の服用とスキンケア、そして生活改善をすることで健康な状態なることもあります。
アトピー性皮膚炎でステロイド剤を長年使用していた方が、漢方を取り入れてみるなど、皮膚の症状が様々であるのと同じように、対処法も人それぞれ。あなたに合った漢方薬、 お手入れ方法やスキンケア用品、生活養生法をお伝えしています。
アトピー皮膚炎とは、増悪、寛解を繰り返しながら痒みのある湿疹を主病変とする疾患です。
アトピー性皮膚炎の発病は、風、湿、熱、毒が原因で、・七情脾胃虚弱(胃腸が弱く、消化力も弱く、吸収力も弱い)・飲食不節(食事が不規則で体に良くない摂取) ・素体不足 (体が弱ってエネルギー不足)が、絡み合って内虚(体にいらない水分)を生じて、血虚(体の中の栄養分の不足)となり、血分(血の余分な熱をもつ)、湿熱(体に余分な水分と熱をもつ)を生じて停滞することで発症します。

中医学アトピー治療は、清熱解毒、利湿止痒を中心に、涼血、養血、健脾、補腎を補います。
ほぼ、紅斑、滲出、びらん、丘疹、結節、鱗屑、苔癬化の順に皮膚の変化は進みます。
慢性の場合は、湿疹症状をとって、破綻している皮膚を修復する事をこころがけます。
あなたに合った漢方薬、お手入れ方法やスキンケア用品、生活養生法をお伝えしています。
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に生じる無菌性の小水疱や黄色い膿庖で寛解、増悪を繰り返す皮膚病です。手のひらや足の裏が赤くはれ上がったり、膿を持ったりして、しばらくするとガサガサになり、これを繰り返します。
以下の分類で改善していきます。症状に従って漢方薬をお出しします。
A | 湿熱内温型 | 小水疱、小膿庖、掻痒 | 清熱利湿、竜胆瀉肝湯など |
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B | 湿熱血熱 ・熱毒旺盛型 |
紅斑ひどい、皮膚の灼熱感、膿庖が多い、 痂皮と落屑が多い、便秘 |
清熱化湿、涼血解毒、五味消毒飲、 黄連解毒湯など |
C | 陰虚火旺 ・余毒未清型 |
紅班、乾燥、痂皮と落屑が少ない、手足のほてり | 滋陰清熱、知柏地黄丸など |

はじめは、頭のフケやかさぶたが出来始め、時間の経過とともに、肘や膝、背中に表れ、皮膚が赤く腫れてゴワゴワができます。 慢性に経過して、再発しやすく、冬に悪化します。
尋常性乾癬も、以下の分類で改善していきます。症状に従って漢方薬をお出しします。
A | 血熱証 | 紅班、鱗屑、掻痒があり、口渇あり、煩燥、便秘、小便黄色、舌質紅、舌苔膩 | 涼血清熱、解毒解熱、五味消毒飲など |
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B | 血燥証 | 静止期で慢性に経過し、鱗屑もすくない、舌質淡紅、舌苔薄白 | 養血活血、解毒、当帰飲子、荊芥連翹など |
C | 血お型 | 慢性に経過し、皮膚は班状肥厚、暗紅色を呈し、白色鱗屑が厚く付着している。舌質は紫暗色でお班、お点がある | 活血化お、除湿解毒、桂枝茯苓丸、冠元顆粒など |
D | 湿熱膿度毒型 | 紅班の上に糜爛、膿庖を多発、発熱、口渇、便秘、食欲不振、舌質紅、舌苔黄膩 | 清熱涼血、利湿解毒、竜胆瀉肝湯、黄連解毒湯など |
E | 熱毒型 | 紅皮症型び慢性潮紅、腫れ、落屑、全体症状として発熱、小便黄色、口渇、舌質紅、舌苔黄膩 | 涼血清熱解毒、五味消毒飲、黄連解毒湯、白虎湯など |
F | 肝腎不足、湿毒阻絡型 | 乾癬の皮膚症状を伴い、関節痛 急性期:関節が赤く腫れて、熱、痛みがみられる |
補益肝腎、温経通絡、独歩顆粒、冠元顆粒など |

脂漏性皮膚炎は、皮膚表面が油っぽい紅斑、境界がはっきりした油性隣屑、頭皮にべたべたの痂皮、耳の後ろのひび割れ、患部にびらんと滲出も見られます。
A.血熱風盛型 B.湿熱旺盛型 C.血虚風燥型 があり、タイプに従って漢方をお出しします。
A | 血熱風盛型 | 顔面、鼻、眉毛、口の周り、あごに紅い丘疹がでる | 去風止痒、清営顆粒、五味消毒飲など |
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B | 湿熱旺盛型 | 前頭部、特に額、眉毛に油脂性の痂皮、酸滲出液がでる | 涼血解毒、清熱利湿止痒、竜胆瀉肝湯など |
C | 血虚風燥型 | 乾燥性で頭部にフケ様が毛のはえぎわに多く、脂漏性湿疹が見られる | 養血滋陰、潤燥去風止痒、荊芥連翹湯など |
毛根にホルモンと細菌と脂質とが詰まり、炎症を起こします。ニキビは皮脂を分泌する毛根が詰まることから始まり、コメドーと呼ばれる黒いニキビと、白いニキビがあります。
A | 肺経蘊熱タイプ | 毛根に一致した丘疹で中に黄色いものがある。額に多い。口渇、便秘気味 | 宣肺清熱、黄連解毒湯、排膿散など |
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B | 脾胃熱盛タイプ | 顔全体にある。毛包に一致して赤い丘疹、たまに膿庖もみられる。便秘、口渇、のぼせあり | 涼血通府解毒、清営顆粒など |
C | 血熱熱毒タイプ | 毛包に一致して赤い丘疹にみられる。あご、ほほに多い。化膿がひどく膿庖が多い。 | 清熱涼血、解毒消結、五味消毒飲、排膿散など |
D | 痰濁お血タイプ | 毛穴が大きく、紫褐色、赤黒く結節を形成して硬い。頬、あごに多い。 | 涼血解毒、活血散結、桂枝茯苓丸など |