心臓病とは、心臓の構造や機能(働き)の異常により引き起こされる病気の総称で、その範囲には、心不全、動悸・不整脈、心筋梗塞などがあります。
心臓病は、心臓そのものや心臓に血液を送る冠動脈の血管に不調が生じる病気のことです。
日本人の死因の第2位を占めており、高齢化と生活習慣の変化により増加傾向にあります。
ではよく起こる心臓病についてご説明します。
心不全
2023年の調査によると、日本では年間7.9万人が心疾患による突然死で亡くなっており、年齢や性別に関わらず誰にでも起こりうる病気と言えます。
心臓は、全身に血液を循環させて酸素と栄養を送る「ポンプ」の役割をしています。
心臓自体が活動するためにも酸素と栄養が必要であり、心臓の動脈(冠動脈)が酸素と栄養(血液)を運んでいます。この動脈が縮んで塞がってしまうと、心臓に酸素と栄養が送れなくなります。
こうして心臓の機能が低下することにより、心臓から全身の各臓器に血液を十分に送れなくなる状態が心不全です。
心不全の前兆
心不全による突然死した人は、数ヵ月から数日前に何かしらの前兆を感じています。
以前は問題なく出来ていた活動が困難になったり、急激な体重増加、夜間尿の増加、動悸や息切れが激しくなるなど。
心不全の症状
足のむくみ、坂道、階段での息切れがあります。
心不全は全身に水がたまってしまう状態になるので、急激な体重増加(1週間で2kg以上)や横になると咳が出たり、息苦しくなったり、だるさ、疲れを感じることもあります。
このような場合はすみやかに医師の診断が必要です。
動悸・不整脈
動悸とは、普段感じている心拍とは違い強く拍動を感じる状態です。
原因は病気、疲労、睡眠不足、飲酒によるものが多いですが、安静時に動悸がするのは精神的なストレス、自律神経の乱れ、貧血によるものなど様々です。
動悸が起きた時には、まず座る、横になるなどして安静にしましょう。この時、深呼吸をしたり、首の動脈や両目を軽く押さえることで症状が治まる場合もあります。
しかし、胸痛や呼吸困難などが止まらない場合は速やかに医師の診察を受けてください。
不整脈とは、脈がゆっくり打つ、早く打つ、または不規則に打つなど、脈のリズムが乱れた状態をいいます。
不整脈には、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈、脈が飛んだり、抜けたりする期外収縮があります。
不整脈は、加齢や疲労、ストレス、睡眠不足が主な原因です。
しかし、冠動脈疾患、心臓弁障害、心不全、先天性心疾患などの心臓病や甲状腺異常や肺の疾患がある人でも不整脈になりやすい傾向があります。
動悸や不整脈を感じられたら、一度早めの受診をお勧めいたします。
心筋梗塞
心筋梗塞とは、心筋(心臓を構成する筋肉)に血流を送る“冠動脈”が閉塞することにより血流が途絶えることで、心筋に栄養と酸素が不足の状態に陥る病気のことです。
発症すると、締め付けられるような強い胸の痛み、胸部の圧迫感や焼けつくような感じが30分以上継続して起こります。
心筋梗塞の原因の大部分は冠動脈の動脈硬化です。狭くなった血管に血栓(血液の固まり)が詰まることで完全な閉塞が生じると考えられています。突然発症する場合も多いですが、一般的には動脈硬化によって心筋への血流が低下することで、運動後など心筋が必要とする酸素が増えるときにのみ酸素不足の状態となって胸の痛みなどを引き起こします。心筋梗塞の発症は生活習慣病などによる“動脈硬化”から進行することも多いとされています。
動脈硬化の改善は、漢方薬や生活習慣を見直すことで改善が見込める場合もあります。正しい知識のある専門家をご相談ください。